いつしか私の年齢を追い越して、君は年老いた。窓辺で微睡んでいる姿を見ていると、最近の君の時間は随分とゆっくりと過ぎているように映る。暖かい陽だまりを探して歩く。君は高いところより低い場所を好むようになった。
私たちは違う生物で、だけど共存している以上、君の最後を見送るのは私の義務だから。



まだ先だと思っている。だけどその時は、必ずやってくる。
君は私を置いていくから。
今日という日がいつの日か思い出になるなら、いま、この時にたくさん触れて。君の柔さや、温かさをこの手のなかに覚えておきたいと思う。