医師は、若く見積もっても5才と言った。彼女は雌猫の中でも小柄な方で、はじめは子猫だと思われていた。
歯は殆ど無く、お腹の中には虫が沸いていて、体は痩せこけて骨と皮だけの状態。それでも診察台の上で、必死に威嚇をしていた。
こんなにも小さい体で過酷な日々を生き抜いてきたんだと思うと、目頭が熱くなった。




Naちゃんは5年前に亡くなった、あの子にそっくりで。見付けた時にはもう、保護する以外に選択肢なんてなかった。
あの子にしてあげられなかった沢山のことを、Naちゃんにしてあげられたら。